大規模地震、パンデミック、気候変動に伴う災害や紛争等の有事に対応するためのプラットフォームには、用途や目的に応じてさまざまな種類があります。それぞれが情報収集、共有、連携、支援活動の効率化を目的としています。特に、近年は情報通信技術、AI、IoT等の進化、普及により、ますます高度化すると見込まれます。以下は代表的な例です。
1. 防災情報共有プラットフォーム
・災害ダッシュボード
気象庁や地方自治体が運営する情報提供プラットフォームで、地震、津波、台風、大雨などの最新情報をリアルタイムで提供
例: 防災科学技術研究所の「防災情報共有プラットフォーム」
・地域防災アプリ
一般市民向けの防災情報アプリで、避難所の位置や災害発生時の行動指針を提供
例: Yahoo!防災速報、各自治体用防災アプリ
2. 災害対応物流プラットフォーム
・災害支援物資管理システム
物資の調達、保管、輸送を管理するシステムで、NGOや自治体が効率的に支援を行えるよう支援
例: 物資調達・輸送調整等支援システム(内閣府)、国連WFPの「LOGIE」(物流情報管理システム)
・民間物流との連携システム
民間企業の物流ネットワークを活用して、災害時の物流を迅速に確保
例: Amazon Disaster Relief Hub
3. 官民連携プラットフォーム
・災害協定プラットフォーム
自治体と企業が締結した防災協定を共有・管理し、有事に迅速に協力体制を構築
例: 防災協定ネットワーク(日本)
・ロジスティクスプラットフォーム
NSNに基づく国防や防災用資材の標準化を通じた効率的な調達と管理 例: NCS(NATOカタログ制度)、WebFLIS、GSA Advantage
4. 災害時通信プラットフォーム
・衛星通信ネットワーク
災害時にインターネットや電話が使えない場合でも、衛星通信を利用して情報を共有
例: SpaceXのStarlink
・地域内無線ネットワーク
地域住民間での通信を確保するためのデジタル無線システム
例: Meshネットワーク技術
5. 国際的な支援プラットフォーム
・国際機関の災害支援プラットフォーム
災害が発生した際に、多国間で支援を調整するプラットフォーム
例: UN OCHAの「ReliefWeb」
・防災用品の輸出支援プラットフォーム
日本製防災用品の輸出を支援する専用プラットフォーム
例: JBSHOP
6. AI・データ活用プラットフォーム
・災害予測システム
AIやビッグデータを用いて、地震や洪水などの発生を予測
例: Google AI Disaster Prediction
・リスクマネジメントプラットフォーム
災害発生前後のリスクを評価し、対策を提案するシステム
例: RMS(Risk Management Solutions)
ビジネスに関連する視点
防災用品をはじめ、緊急物資のロジスティックスとEコマースとの相性は、CALSの変遷等を例にグローバル化、官民連携化の波が後押しする形となり、より親和性を高めています。そのため、NCS(NATOカタログ制度)、米国のFLIS、GSA Advantage等は、平時においては必需品のEコマース、有事においては必需品のロジスティクス・サポートのためのプラットフォームとして、正にフェーズフリーなサービス、機能を発揮し得ます。
30Advantageは、この平時におけるEコマースと有事におけるロジスティクス・サポートを兼ねるプラットフォームの有益性、有用性に着目しています。現在、企画中の防災用品輸出プラットフォームは、災害・緊急(人道的)物資の輸出支援に特化しており、国産災害用品等を国際市場に広める重要な役割を果たすことが期待されます。その中で、NCSやNSNの活用が、日本発の災害対応用品の普及を支援する上で効果的と考えます。