燃料把握システムについて(補足)

 当サイトのコラム(エネルギー供給の現状と課題:2025/3/19)にて、災害時の燃料供給は人命救助や医療支援に直結する重要な要素と述べたところであり、埼玉DXパートナー登録の実績の一つである「燃料把握システム」について、あらためて紹介させていただきます。

 30Advantageは、こうした社会課題に対応するための技術や情報基盤の整備に取り組み、災害時の被害軽減に貢献してまいります。

1 背景と課題

 近年の異常気象や自然災害の頻発により、非常時のエネルギー確保が重要な課題となっています。特に災害発生時、避難所や医療機関、消防・警察などの緊急車両に必要な燃料が不足すると、救助活動や被災者支援に深刻な影響を及ぼします。

 現状では、非常用発電機の多くが72時間分の燃料しか備蓄していないことが一般的であり、発災から3日前後で燃料需要が急増するリスクが指摘されています。

2 燃料把握システムの役割

 30Advantageでは、災害発生時の燃料供給を迅速かつ的確に行うため、IoT技術を活用した燃料把握システムを提案します。

 本システムは、次の3つの機能を通じて、災害時の燃料供給体制を強化します。

3 燃料把握システムの主な機能

(1)リアルタイム監視機能

  給油所、重要施設の燃料タンクの残量や供給状況をIoTセンサーで把握し、リアルタイムでデータを共有

  避難所や病院など、優先供給が必要な施設への燃料残量情報を可視化し、迅速な配送判断が可能

(2)需給調整機能

  災害時に発生する「燃料の供給過不足」を最小限に抑えるため、各拠点の燃料状況を把握しながら、配送計画を最適化

  地方自治体や燃料事業者との連携を強化し、燃料の優先供給先を動的に調整

(3)緊急物資統合管理機能

  燃料に限らず、エネルギー(ガス、バッテリー等)、水、食料、医薬品といった緊急物資の在庫情報を一元管理

  既存の施設管理システムや機械警備等のセンサー情報と連携し、物資の需要と供給を最適化

4 官民連携による実現

 30Advantageでは、燃料等緊急物資供給に関する既存の民間システムを活用しつつ、JBSN(ジャパン防災共通分類番号)の導入を推進します。これにより、緊急物資供給の情報共有基盤を整備し、官民が連携した非常時の緊急物資供給プラットフォームとして、新規提案プラットフォームの拡充を目指します。

 本燃料把握システムは、都市部から段階的に展開し、将来的には全国の自治体、医療機関、避難所などの重要施設に導入することを視野に入れます。